ショッピング
(アンタッチャブル風)

 

「どうもー」

 

「どうも美少女でーす!」

 

「美少女じゃねえだろ!こんなことまず美少女はしねえし、第一、美少女は自分で美少女って言わないだろ!」

 

「はい、ツッコミ長―――い!」

 

「お前を訂正してんだろ。」

 

「いやねえ、買い物はいいねえ!やっぱ!」

 

「買い物?ああ、まあいいけど、大声で言うほどじゃねえだろ。」

 

「買い物しよっか?」

 

「いや、別にオレは・・・」

 

「じゃあ売り物しようぜ!」

 

「売り物ってなんだよ!逆の事言えば同意すると思ったのか!?」

 

「買い物しようぜ!したいんだよ!オレはお前と!」

 

「気持ち悪いよ!分かったよすればいいんだろ!」

 

「じゃあオレ、店員!」

 

「買い物ごっこかよ!それに買いたいんだろ!なんで売る側なんだよ!」

 

「女を買うなんて俺にはできない・・」

 

「そんなヤバイ商売かよ!売るほうがもっと悪いだろ!」

 

「どっちも悪いだろ!」

 

「なんでオレが怒 られるの!じゃあ女を売ってる設定にするなよ、で何を売りたいの?」

 

「服だな。」

 

「いいじゃん、服。オシャレな感じで。」

 

「あ、そっちの服じゃなくて・・着るほうの服。」

 

「服って普通それしかねえよ!」

 

「・・ジリリリリリ!あ、もう朝か・・今日は休みだ。何をしようかな?」

 

「起きた所からやるのかよ!」

 

「あ、展開速い?」

 

「遅いんだよ!」

 

「オギャー!オギャー!」

 

「産まれた時からしなくていいんだよ!余計遅いんだよ!」

 

「あーあ、弟を置いて買い物にいっていいのかな・・」

 

「お前の弟か!なんだよそのややこしいケースは!そんなの放っといていけばいいんだよ!早くしろ!」

 

「うちの弟をそんなの扱いって!どういうことですか!」

 

「そういう意味じゃなくてそういう前提は放っとけって・・あーもうイラつくー!、それじゃ買い物できないでしょうが。」

 

「弟はポン!行ってきまーーーす!」

 

「ポンで済ませちゃったよ!お前のほうが扱い悪いよ!」

 

「うちの弟はもうすぐ19歳ですから・・」

 

「放っとけよ!」

 

「いつまでも甘えんぼ なんですね。東大生なんですけどね。」

 

「どんなやつだよ。オギャーって言う東大生って。」

 

「ピンポーン!あ、はーーーい!」

 

「誰か来たの!?何だよ今度は!」

 

「・・・Aの『はけ口』!ピンポンピンポンピンポーーーン!よし!正解だ!優勝だ!」

 

「クイズのボ タンの『ピンポン』かよ!『はけ口』ってどんな問題だとその答えになるんだよ!」

 

「グアムだハワイだ沖縄だ!やったよーーやったなーーー!」

 

「ひとつで十分だろ観光地!もう早く買い物やれ!」

 

「はいじゃあ、頂きまーーす、じゃなかった、いらっしゃいませー」

 

「挨拶間違えるなよ!しかも店員のままだし。じゃあオレ、お客ね。」

 

「へい、らっしゃい!」

 

「八百屋じゃねえだろ、ちゃんとやれ!」

 

「いらっしゃいませ。」

 

「うーん、なににしようかな。」

 

「お客さんの白シャツにはトマトの赤が良く映えますよ。」

 

「八百屋じゃねえか!」

 

「このトマトは金利も得られて電話代も削減できますよ。」

 

「なんの商売だよ!すっげえトマトだなーと思うと思ってんのか!服だよ服!」

 

「デニムのトマトはいかがでしょう?」

 

「んなもんねえよ!意味分かんねえもん作るな!」

 

「今はトマトを持つ事がオシャレなんですよ。」

 

「絶対違うだろ、適当すぎるだろその接 客トーク、トマトから離れろよ!」

 

「店長をお呼びしましょうか?」

 

「もうそうしてくれ!」

 

「どうも!魚民店長、前田と申しまーす!」

 

「騙されたー!そっちの店長じゃねえんだよ!」

 

「オシャレ大好き!」

 

「トーシロだろうが!」

 

「当店サービスの一環としてさせて頂いております。」

 

「どこでサービスしてんだよ!居酒屋の準備とかあんだろ!」

 

「トマトフェアにちなんで・・・」

 

「なんの関係もねえよ!いい加減トマトから離れろよ!それに地味なフェアだなー」

 

「いわゆるヘルプです。ヘルプ。」

 

「バイト感覚かよ。どこ助けてんだよ!」

 

「違う!パート感覚です!」

 

「一緒だよ!」

 

「すいません、フリーター感覚でした。」

 

「店長がフリーター感覚でどうすんだよ!」

 

「実はニート感覚・・・」

 

「しつけえよ!」

 

「ふくはーーーーー・・・」

 

「うわ、これベタな・・」

 

「店!」

 

「そうだよ確かに服は店だよ!今時、服は家(うち)で縫って作らねえよ!

・・話を前に進もう。あの・・オレに合いそうな服はありませんか?」

 

「あーお客さんには向こうの店のほうが合うと思いますよ。」

 

「売る気あんのかよ!」

 

「・・・そう言われると・・う〜ん・・」

 

「何考え込んでんだよ!普通に『あります』でいいんだよ!そこは!」

 

「はい!普通にあります!」

 

「『普通に』はいらねんだよ!・・・あるんだったらなに他の店薦めてんだよ!」

 

「だってさ、服屋って、やたらめったら高いやつとかしつこく薦めてくるじゃん、似合うとか全然考えずに、そういうのさーオレ嫌なんだよね。」

 

「確かに嫌だけど、他の店を勧めなくても。」

 

「それにここ、服売ってないからさ。」

 

「売れよ!なんでオレここに来てるんだよ!」

 

「服を売りたい気持ちはある。」

 

「売ってねえだろ!それ!」

 

「じゃあ、俺の着てる服売ってやるよ。」

 

「いらねえよ!なんでお前の服なんだよ!それ売ったらお前、即裸じゃん!」

 

「じゃあお前の服と交換しよう、ユニフォーム交換だ。かっこいいだろ!」

 

「ダセえよ!なんの感動も分かち合ってねえじゃん!」

 

「蛍の光〜〜〜窓の雪〜〜〜♪」

 

「え、何?閉店?」

 

「鼻歌。」

 

「まぎらわしいことしてんじゃねえよ!」

 

「っていうかオレ、この店を卒業しようと思うんだ。」

 

「だから歌ったのか!勝手にしろ!」

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