サンタさん

「ジングルベール ジングルベール♪あー、楽しみ!もうすぐクリスマスですよ。」

M「そうだねー。でも最近は、子どもの時みたいにドキドキしなくなったなー。」

「何!?大人の心を手に入れたの?腐った大人の?

M「どれだけ大人に偏見を抱いているんだよ!」

「じゃーお前、あれだろ。サンタはいないって信じてるんだろ?」

M「え?お前、サンタがいるって信じてる人なの?」

「サンタさんはいるよ。」

M「いねーよ!」

「いるよ。」

M「いねーよ。」

うちの家にいるよ!うちの広いリビングで、テレビを見ながら過ごしているよ!」

M「お前ん家か!?そりゃ信じない訳にはいかないな・・・。」

「ゴメン、うそ。」

M「だろ!ウソついちゃだめだよ。お前の嫌いな、大人への片道切符を手に入れてしまったぞ。」

「まずいなー。」

M「じゃ、やり直すか。」

「うん。」

M「えーっと、・・・お前サンタ信じてる人?」

「うん!サンタさんはいるよ。」

M「だからいねーよ。」

「うちの家にいるよ。公園のドカンの中の家だけど・・・。」

M「マジ!!そっちかー。」

「あんなの家と呼べるかどうか・・・。」

M「あー、で。サンタがいるのは決定事項なんだね?サンタさんは元気?」

「うん。今、瀕死。」

M「瀕死!死んじゃうの!?サンタって死ぬんだー。」

「あたり前じゃん。人間だもの。」

M「え?サンタって人間なの?」

「そうだよ。何?お前、生物学で「サンタ科」みたいなのがあると思っていたの?」

M「あー、言われてみると無くはないね。特徴は長い白いヒゲ。みたいな。」

「うちのサンタは青ヒゲだけどな・・・。」

M「赤い服を着ていて」

「アカをいっぱい身にまとっているね。」

M「特技はエントツから家に入れる」

「特技はカギを使わず、他の人の家に入れる。」

M「ふくろいっぱいのプレゼントを入れて、あなたの元にやってくる」

「ゴミ袋いっぱいの生ゴミを入れて僕の元にやってくる」

M「おともは赤鼻のトナカイ」

「おともは野良犬のポチ(非常食)」

M「うっかりもので、クリスマスの日を間違えてしまう。」

「うっかりもので、いつの間にか友達の借金を肩代わり。」

M「あなたの元に夢と希望とプレゼントを届ける!」

「ボクの元に恐怖と絶望と廃棄になった弁当を届けてくれる・・・」

M「その名は・・・」

「その名は・・・」

Mサンタクロース!!!!!!!!

M「お前泣きながら、何言ってんだよ!お前のサンタじゃないよ。お前の父さんだろ!」

「あんなヤツ、父さんなんかじゃないやい!」

M「サンタはもっとメルヘンなの!」

「ドメスティック・バイオレンスだよー。」

M「あ〜、はいはい。なんだかお前の話を聞いていると、本当にサンタがいればいいなって思うよ。」

「・・・え?」

M「そんなお前にもサンタさんが来て、ステキなプレゼントでも、届けてくれたらいいなって思って。」

廃棄の弁当はもういいよ、父ちゃーん!!

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