RPGコント

“カチャカチャ〜ン!”

町の人「あ〜やっちゃったよ〜」

勇者「え、何か・・?」

町の人「なんで勝手に人の家に入んの?」

勇者「え、いや空いてたからですけど・・」

町の人「いやいや、挨拶なしに入ったらダメでしょ。」

勇者「・・・すいません・・」(ガサゴソ)

町の人「な〜んで取るの!なんで取るの!今、あんたオレのタンスから引き出したでしょ。
     布の服と力の種!今取ったでしょ!全然すいません言いながらの行為じゃないよ!」

勇者「いや、あったから・・」

町の人「あったからちゃうでしょ!勝手に人のものとらないで!
     あんた勇者でしょ、泥棒っていうか・・強盗ですよ!武装して堂々と取ってるから!」

勇者「う〜ん、まあ布の服は返してもいいですけどね・・・」

町の人「返してもいいって何!何その言い方!
     そりゃあ魔王を倒しくれる訳ですから尊敬もしてますし、できるだけ協力もしたいですよ!
     でもね!人の家の財産を勝手にとらないでください!」

勇者「いや、王様の許可で、一応、ものは取ってもいいような感じ、設定だと思いますよ。
   きっと。一回も怒られた事ないから。」

町の人「設定ってなんですか!?」

勇者「設定・・まぁ要はプログラミングですわねえ、私もそんな詳しくないですけど・・」

町の人「はあ?プログラミング?」

勇者「噂によると、あくまでも噂ですけど、魔王より凄いヤツが俺たちを動かしているらしいです。
   それでビジネスしているらしいです。それで子供たちからおこづかいを巻き上げてる・・・
   恐ろしいです・・その気になれば魔王さえ好きなように操れるらしい・・」

町の人「そんな・・この楽しいファンタジー世界最大のタブーに触れようとしないで下さい!
     まあ布の服でもねえ今のビームスの布の服ですよ!ちょっと違うんです!同じ布の服でも!」

勇者「まあ、ビームスだろうがユニクロだろうが布の服は布の服扱いですからね、
    この世界では・・・防御力変わらないから。」

町の人「みんな困ってるんですよ!知らない間にものがなくなってるって・・
     それよりあんた、この前、オレの親戚の新婚の人の家に勝手に入ったでしょ!」

勇者「入ったかな?」

町の人「新婚カップルが出かけてる時に結婚式でつける銀の髪飾り取ったでしょ!」

勇者「あ〜何かあったな、レベル17の時かあ、懐かしい。ははは、まだあの時は・・」

町の人「お前の思い出はええねん!『何かあったな』て!おい!新婚さんやぞ!
     一生一回の日のための大切な髪飾りやぞ!」

勇者「一カップルのことよりもオレは恋愛なんかしないで魔王を倒すために必死に頑張ってるわけですよ!
    それを考えてくださいよ!めっちゃ恋もしたい年頃なのに・・
    あ、いえ別に仕方ないんですけどね・・・自分で選んだ道ですから・・」

町の人「お前の複雑な心境はいいよ!それで、その髪飾りはどうしたんや!
     もうそんなん要るレベルじゃないやろ、返してあげて。」

勇者「・・・・・売りました・・・」

町の人「なんで売るの!せめて返してあげてよ!もう要らないなら!」

勇者「いや、いらない装備は売って次に使うのがセオリーですよ!」

町の人「取ったものは返すのが人としてのセオリーやないか!」

勇者「別にうまいこといってない・・ですよw」

町の人「笑うな!もうええわ、で、何に使った!?」

勇者「・・・・・・・カジノに。」

町の人「何に使ってんねん!まだ次のもっといい装備とかに使うなら、多少理解もするわ!
     でも、カジノて!思いっきり娯楽やん!」

勇者「あ、ポーカーですよ。」

町の人「だめじゃん!ポーカーだめじゃん!なんでポーカーだけ特別扱いみたいな雰囲気でしゃべんの!
     ギャンブルでしょうが!」

勇者「う〜ん、ポーカーはトランプさえあれば小学生でもやってますよ。」

町の人「そういう意味じゃない!金賭けたらギャンブルでしょ!全部!」

勇者「金じゃないです、コインです!」

町の人「なして逆ギレ!?ほとんど一緒でしょうが!この人ややこしいな〜話すの。」

勇者「まぁカジノで骨休めして、次への活力にしたんですよ、それで強かった中ボス倒せたんです。
    データには見えなくてもそうなんです、与えるダメージもちょっと上がったんです。」

町の人「知らねえよ!そんな隠しデータ!さっき出たプログラミングの人でも知らねえと思えるわ!」

勇者「じゃあ・・・この笛で許してくれます・・」

町の人「笛なんて吹かねえよ!」

勇者「妖精の笛ですよ!」

町の人「いらねえよ!一般人が何に使うんだよ!価値分かんねえし。
     しかもそれ、売れない大事なもの扱いじゃねえか!」

勇者「じゃあ、今着ている最強の鎧あげます。私の誠意です。凄い大事なものです。」(ガチャガチャ)

町の人「要らねえよ!新婚さんにあげるには生々し過ぎるだろ!」

勇者「強力モンスターの返り血付でお得ですよw」

町の人「お得じゃねえよ。」

勇者「お得ヨロイ!」

町の人「お得ラインみたいに言うな!全然お得ですらないし・・いらんよ!
     しかもこれも売れない大事なもの扱いだし・・・」

勇者「結局、カネですか?」

町の人「違うだろ、そういう問題じゃない・・
     あ、お前、この前、山下さんの壷から借金返すために貯めてたカネを全部取っただろ!
     山下さん破産だよ、一家離散だよ〜どうすんだ?この責任!?」

勇者「もうそんなん、いちいち覚えてませんよ!ほぼ全ての家から頂いてるから!」

町の人「また逆ギレ!ありえねえ〜!そのスーパー勘違い。頂いてるんじゃねえよ!取ってんだよ!」

勇者「いや・・そんなん大目に見てくださいよ・・こっちは魔王相手なんやから・・」

町の人「お前なあ、オレはこの町を代表して、いやこの世界すべての町の人を代表して言ってるんねん!     ちゃんと分かってもらいたい、そろそろ。あんた、もうレベル42でしょ。

勇者「まあ、マナーとレベルの高さとは直接関係ないとは思いますけど・・はい・・」

町の人「あなた、この前、バニーさんのパンツ取ったでしょ!?」

勇者「取ってない!取ってない!絶対、取ってないですよ!もうかなわんわ〜。
    なんでそんな誤解されるの!いやや〜〜〜、そんな防御力のなさそうなもん取るかあ〜〜!」

町の人「防御力ってじゃあ鉄のパンツやったら取るんかい!」

勇者「まあ、サイズが合わないと思いますけどね。」

町の人「サイズ合ったら取る気かい!じゃあもしオリハルコンのパンツだったら・・」

勇者「サイズが合ってオリハルコンなら迷わず取りますね。オリハルコン製なら。」

町の人「ほら変態じゃん。」

勇者「ボクは履かないですよ!仲間の女賢者に履かせますよ!」

町の人「あなた、仲間に自分の趣味を強要するんですか!?」

勇者「するかーーーーーーーーーー!趣味とかじゃないし!純粋に防御力上げるためやし!
   もう!全部、魔王が悪いんですよ!あいつさえいなければ僕もこういうことしなくて済むんですから!
   あ〜もう魔王ムカつく!変態疑惑とややこしい人間関係という新たな敵まで作りおって・・・」

町の人「・・・それもそうだ!よし!オレも仲間になろう!」

山下さんが仲間に加わった!(タラララ、タラララ、ラ〜ラ〜♪)

勇者「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

HOMEへもどれ!!