いじめ

「イジメかっこ悪い!」

B「まったくその通りですが。どうしました、突然。」

A「どうです、大学生活は楽しいですか?」

B「そうですね。友達もいて、おかげさまで、なかなか楽しい生活を送っていますよ。」

A「そいつはよかった。しかしなんだね。さすがに大学になったらなくなると思うけど、学校生活での問題といえば、イジメ。」

B「確かに!イジメ問題は深刻ですね。」

A「んで、確実にイジメていたやつが、先生とかに注意されると、絶対「オレ、イジメてない」って言うんだ。」

B「確かに。」

A「だろ。博愛主義者のオレにとっては耐え難い現実なわけ。」

B「ふん。なるほどね。」

A「でだ。今のイジメの現状を知るために、いまちょっとその状況を再現しない。」

B「なるほど。それによって、何かわかるかもしれませんね。」

A「まず始めに。一番あるイジメといえば悪口ですな。」

B「あるね〜。あれでしょ、「おまえのかーちゃん、でーべそ」とかね。」

A「それ怖!

B「え?」

A「それ言われたやつ、メチャメチャ傷つくな。」

B「ま、確かに悪口言われたら嫌な気分になりますが、こんなのまだカワイイ方だと思いますよ。」

A「ぜってーやだよ。だってよく考えろよ。「おまえのかーちゃん、でーべそ」ってなんでおまえが知ってんだー!

B「え?」

A「いったいうちの母とどこまでいってんだ。

B「そうゆう意味じゃないでしょ。」

A「いつ、僕のパパになるんでちゅかー。」

B「なんで赤ちゃん言葉になるんだよ。」

A「あ〜恐ろしい。あっ、あと代表的なイジメといえば、落書きだよな。」

B「あ〜、ノートとか机とかに書かれちゃってるやつですな。」

A「じゃーちょっと、ちょっかいだしてみて。」

B「分かりました。

  「あ〜、こいつのノートにブタって書いてあるぜー!

A「や、やめろブー

B「ブー太郎かよ!なら、いささかしかたねーよ。ちょっとちゃんとやってくださいよ。」

  「あっ、こいつの机には、おバカって書いてあるぜ。

A「やめてよー。それは逆に読むんだよー。助けてー、アンパンマーン!

B「かばお君!確かにカバオ君逆から読むと、オバカだけどさ。」

A「でもさ、言葉のイジメもひどいけどさ、暴力もいただけないよな。」

B「確かに。」

A「プロレスと称して、いろんな技をかけてイジメている。」

B「イジメられてるほうは、たまったもんじゃないですよね。」

A「まったくですな。よし、おまえイジメ役な。」

B「なんかいつもオレだな。まーいいや、じゃ、やりますよ。

  「おい、ヨシオ。おまえこのラリアットよけんなよ。

A「・・・・うん

B「いくぞー、おりゃー!

A「飛んでくるラリアット。ヨシオ、それをカウンターでエレボー!そのまま足をとって、飛んだー!でたー!キンニクバスター!!!」

B「ヨシオ君、強!それならイジメの心配ないや。」

A「ラウンド2

B「ないから!

A「カーン

B「カーンじゃねーよ。

A「オリバーカーン

B「ギャグいらないか。

A「おれ、バカーン

B「そうだけど!

A「・・・・・・・・

「ヘコムんだったら言うんじゃないよ。

A「あれさ、おまえモテないだろう。

B「何言ってんの!?今、関係ないでしょ。じゃなくて、もうちょい弱いヤツお願いしますよ。」

A「わかったよ。」

B「おい、タダシ。腕だせ。腕十字の練習するからよー。」

A「う、うん。

B「おら、どうだ。まいったか!

A「う、うん。き、気持ちいい・・・

B「エムーーーー!

A「ど、どうしてやめちゃうのさ。

B「気持ち悪い。喜んでんじゃん。」

A「今ある状況を楽しめる人って、素敵よねー。

B「素敵よねじゃねーよ。」

A「まーね、暴力もいただけないけど、一番許せないのが、無視。

B「確かに、一番陰湿だよね。」

A「よし、例によって、おまえイジメ役やれ。」

B「いきなり命令口調ですか。まーいいですけどね。

  「オーイ、みんな、今から山田のこと無視な。

A「・・・・・・・」

B「俺が無視されてるじゃーん。

A「無様だな!

B「無様じゃねーよ!

A「無様じゃん。

B「無様だけど!ちょっとちゃんとやって、ね。」

  「オーイ、みんな、今から山田のこと無視な。」

A「シカト承知した。」

B「なに時代だよー!そのシカトじゃないでしょー。」

A「なに!

B「なに、じゃねーよ。じゃーお前がシカトやってみろよ。」

A「そいつは無理だー!

B「なんで?」

A「無理なものは無理だー!

B「そんなイヤがるもんじゃないだろー。さては、おまえいい子ぶろうとしてるのか?

A「そうじゃないけど、人としてどうかな、と。」

B「まー、確かにね。シカトしてるやつなんて、人として問題あるかもな。」

A「おまえ、シカトしたことある?」

B「んー、実は高校時代に・・・・」

A「うは!早えー!高校ですでに、その域にたっしたの?」

B「は?どういう意味?」

A「だって、シカトしてんでしょ?

B「そうだよ。」

A「鹿としたんでしょー。

B「アニマルプレイーーーーー!!!!やってねーよ。確かにそんなことしたら、人としてどうよ!」

A「さすがB――!やるねーー。

B「やってねーよ!馬鹿じゃないの!」

A「あれさー、このイジメの再現で、わかったことがあるわ。」

B「おっ、いいね。何がわかったの?」

A「おまえやっぱ、モテないだろ。

B「だからなんだよ、それ。さっきから。」

A「だから、最初俺が、言っただろ。」

B「何!」

A「イジメかっこ悪い。おまえカッコ悪い。

B「おれ、いじめてないし。」

A「イジメてたやつって、たいていそう言うよね。」

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