ガソリンスタンド

:最近さ、ガソリンスタンドでもセルフサービスとかあるじゃん?

:あ〜、ちょっと安いやつね。

:でもさ、もっと多様なニーズに答えられないとこれから先、生き残れないと思うのよ。

:なるほどね!もっと色んなサービスをってことね!

:そうそう。例えば、吉野家みたいにイレギュラーなオーダーに対応したりね?

:どんな風に?

:キキィー!「レギュラーつゆだくで!」

:何?つゆだくって??

:もう、溢れんばかりにガソリンを入れるの。むしろ軽く溢れちゃってるくらい。

:ダメダメ!あぶなすぎるから。

:キキィー!「ハイオクねぎだくで!」

:ネギってなんだよ…。

:えっとね、ユリ科の植物で、主に食用に用いられるメジャーな野菜。

:いや、ネギの説明じゃなくって、ガソリンとネギは関係ないでしょ?

:ガソリンにネギを浮かべるんだよ。

:エンジン壊れちゃうから!

:排気ガスにネギの香りがね…。

:臭い!!

:吉野家はダメかなぁ?

:ダメだなぁー。

:じゃあバイキング形式は?

:バイキング?

:90分入れ放題!!

:結局満タンじゃーん。90分もいらないしー。

:じゃね、当たりつき!!

:あ、それはいいかもね!プレゼントがもらえたり??

:じゃお前、客やって!

:OK!キキィー!「レギュラー満タンで!」

:「レギュラー満タンはいります!!…あ、お客様!」

:「お、当たり??」

:「残念ながらハズレでございます。」

:当たってるバージョンでおねがいしますよ!

:そんなに簡単に当たったらつまらないでしょ?

:つまらないとかじゃなくって、話のながれ的にさぁ〜。

:はーい。

:キキィー!「レギュラー満タンで!」

:「レギュラー満タンはいります!!…あ、お客様!」

:「お、当たり??」

:「はい、当たりでございます!!!!」

:「やったぁ!!」

:「では、ガソリンを2倍の量…」

:溢れまくってるから!!

:つゆだく。

:つゆだくはもういいから!!はい、ボツ。

:じゃー、キャバクラサービス!

:おねぇちゃんとかいるの?

:そうそう。ハイオク入れるとコールかけてくれるの。

:ドンペリみたいに?

:そんな感じ。気持ちいいでしょ?

:無駄だろー。

:お前客やって。

:はいはい。キキィー!「ハイオク満タンで!」

:「ハイオクはいりまーす!カローラの、ちょっといいとこみてみたい♪」

:車にコールかけなくていいから。

:「あ!こぼしちゃった…。」
  「…S!O!S!O!SO!SO!GIOSU!!」

:なんだよジオスって!粗相じゃないのかよー。「いいから、早く入れてください。」

:「それはできないんですぅ〜。」

:「え?」

:「おさわり禁止なんで…。」

:いみねー。だめだこれ。

:「うわ!軽油1リットルでこんなにとんのかよ!!」

:その、キャバクラでボられたみたいなのいいから。

:ダメ?

:ダメダメだよ。

:じゃね、筋肉番付サービス!

:なつかしいなぁ…。どんなの?

:「さぁ、ガソリンと言う名の命の源がメタリックのボディーに注がれていく!
   まさに、鋼鉄の猛獣、走る引きこもりかぁ!!」

:何?古館?てか、走る引きこもりってかっこわるくね…?

:こんな実況を生声でいれてくれるの。

:まぁ、一回だけならいってみたいかもね。

:だろ?別バージョンもあるんだぜ?

:どんなの?

:「オヤオヤ、猫まっしぐらさぁ〜ん、ハイオクをいれちゃうんですかぁ〜?」

:ぶらり途中下車の旅バージョン?

:「だめですよぉ。ネギなんかいれちゃぁ。」

:ネギだくはもういいから!!