駅員

:最近の駅ってすごいよね。

:あ〜、改札とか昔と随分かわったよね。SUICAとかね〜。

:そうそう、昔は駅員が一枚一枚、心を込めて手で切ってたもんね。

:まぁ、お前が言うほどの心意気は感じられなかったけどな。

:駅員の数も随分減ったもんね。あの駅員達は今、何をしてるんだろうね?

確かにね。今はほとんど機械化されちゃってるもんね。

:あれかな?駐車違反を取り締まってるとか?

:駐車違反?

:今でも「切符」を切っている。

:もういいよ!

:どうも、ありがとうございましたぁ!

:っておい!全然うまくないから!

:新手のノリツッコミだなぁ。あれかな?あの人たちは今は有給7日制なのかな?

:なにそれ?週休じゃないの?

:毎日有給なの。

:給料泥棒もはなはだしいよ!

:だって仕事ないんだもーん。

:かわいこぶらないで下さい。気持ち悪い。ってか、なんか仕事あるでしょ?

:あー、雑誌売ったり?

:ん?キヨスク?

:ううん。車内のあみだなの上の雑誌を集めて…。

:ホームレスじゃん!他に仕事ないの?

:いやぁ、他は思いつかないなぁ。

:どんな想像力してんだよ。普通、それ以外のこと思い浮かぶだろ。

:例えば?

:う〜ん、キセルを取り締まったり。

:いや、あの仕事は30年間切符だけを切ってた連中には無理だな。

:なんだよ30年間って。馬鹿にしすぎだし。

:プロのキセリストはあの手この手でキセルをしてくるのよ?

:そんな専門用語初めてきいたよ。なんだキセリストって。

:やってみる?

:おう。いいよ。

:「よ〜し、この丸の内線の切符でJRに乗ってやる!!」

:そんなの改札で速攻アウトだよ!ってか、結局金払ってるし。なら最初からJRの切符買え!

:そこがキセリスト魂なんだよ。

:意味わかんねぇから。ちゃんとした奴お願いします。

:「よーし、学生時代、ハードルでならしたこの足で、改札を飛び越えてやる!」

:お、凄そうな奴がきたな…。

:「俺の足よ…。あと10mもってくれ!!」

:絶対怪我してるよな?全然こわくねぇから。

:「よーし、この果物のスイカでボケてやる!」

:あ〜、西瓜とSUICAで?って、キセル関係ないし。迷惑なだけだな、それ。

:フフフ…。ひっかかったな!!スイカは果物ではない!!

:どうでもいいよ。

:な?難しいだろ?

:いや、今のお前のコントから難しさは1寸も伝わってこなかったな。

:届け、私の思い…。

:なんだそのキャラ!

:もしかしたら、リストラされた駅員達はもう、特技を生かした別の仕事についてるのかもな。

:リストラされた事になってんだな。で、例えば?

:あの手首のスナップを生かして、卓球のチェニジア代表に…。

:日本代表ではないのな。ってか、卓球には生かせないだろ。

:じゃ、あれだ。あの卓越した、人をさばく能力を生かして、ティッシュ配り。

:あ、確かにむいてるかも。

:だろ?

:でも、中年のおっさんが配ってるティッシュは受け取りたくないなぁ。

:そこは技能でカバーっしょ?

:まぁそれはいいとして、給料むっちゃ安そうじゃね?それじゃあ一家五人を養ってはいけないよ〜?

:ダメかぁ。じゃあまぁ、再就職頑張ってください。

:投げやりすぎだろ!でもさ、確かにこれからもどんどん機械化されていって、駅員の数も減るのかもね。

:たしかにねー。発達するほど駅員はいらなくなるもんね。

:そうそう。

:あ、うちの近くに最先端の駅あるよ。

:どんなの?

:駅員が一人もいないの。

:全部機械なの?

:ううん。箱が1個おいてあるの。

:無人駅じゃん!それ最先端じゃなくて最末端だよ〜。

:あれか?ループしてるんだ。最先端と最末端はつながってて…。歴史は繰り返す…。

:かっこよくないよー。無人駅と機械化とは全然意味合いが違うし。

:でもさ、そのうち全部の駅が機械化された無人駅になるかもしれないね。

:まぁ、ないとは言い切れないね。そしたら駅で働く人がいなくなっちゃうね。

:ううん。それは減らないの。

:なんで?

:みんな駅前でティッシュ配るから。

:またその話かよ!もういいよ。

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