駅伝
M「日本の駅伝ってマジつまんないな。」
猫「急にどうしました?」
M「あんなの見て、なにがおもしろいんだか。」
猫「やけに挑戦的だですね。じゃ、どこの国の駅伝が面白いの?」
M「オレの育った国の駅伝だよ。」
猫「どこの?」
M「千葉。」
猫「日本じゃん!!」
M「いや、でも千葉の駅伝はおもしろいのよ。」
猫「どんなの?」
M「駅伝ってさ、みんなタスキかけて走るでしょ?」
猫「だなぁ。」
M「そこにオリジナリティーがないんだよ。」
猫「千葉は違うの?」
M「千葉の駅伝は何かけて走ってもいいの。」
猫「なんでもいいの?」
M「うん。」
猫「例えば?」
M「レイとか。」
猫「レイってハワイの首からかける花飾り?」
M「そうそう。」
猫「なんか派手すぎねぇ?」
M「こういうのは目立ったほうがいいんだって。」
猫「そうなのか?」
M「あとはね、タスキはタスキなんだけど、タスキに『今日の主役』とか書いてあるの。」
猫「ハンズとかで売ってる奴かよ!てか、そんなふざけた奴は『今日の主役』には絶対になれないよな。」
M「あと、裸で走ってる奴もいたな。」
猫「あれ?そいつは何もかけてないの?」
M「いや、かけてるよ。」
猫「何を?」
M「親友セルヌンティウスの命。」
猫「メロス!」
M「こいつは必死だったね。」
猫「そいつ絶対駅伝関係ないよな?」
M「あとね、ずっと掛け算の九九をいってるやつとか。」
猫「そのカケルね。」
M「まぁ、いろんなものをかけて走るわけよ。」
猫「なんか随分『かける』の意味合いが違うきがするけどな…。」
M「そこがオリジナリティーなのよ。」
猫「そうなのか?で、レースはどんな感じだったの?」
M「まぁ一番最初に飛び出したのは馬だったんだけど。」
猫「馬!?」
M「そうサラブレット。」
猫「ずるくね!?で、そいつは何をかけてたの?」
M「かけてたというか、かかってた。」
猫「かかってた?」
M「んとね、『かかる』って言うのは、競馬用語でスタートしてゆっくり行こうとする騎手に対して、馬の行きたい気持ちが先行して速く走ってしまう状態。まぁ、スタミナを消耗するから、あとで失速しちゃうことが多いんだけどね。」
猫「うわぁ〜、なんかマニアック〜。」
M「で案の定、馬は失速したね。」
猫「で、その次はだれが出てきたの?」
M「掛け算のやつ。」
猫「そいつ速いの?」
M「うん。元オリンピック選手だったから。」
猫「もうそいつ優勝じゃん。」
M「ううん。途中でリタイアしちゃったの。」
猫「なんで?」
M「七の段が言えなかった。」
猫「バカじゃん!!」
M「で、次にメロスが出てきたんだけど、ゴールじゃなくてお城を目指して違う方向に言っちゃったの。」
猫「まぁ、物語の都合上な。」
M「で、結局『今日の主役』が一番にゴールしたんだけどね。」
猫「ホントに主役になっちゃったわけだ。」
M「まさに神がかってたね。」
猫「あ、そんなものまでかけてたんだ。」
M「ちなみにビリは呪がかかってたやつ。」
猫「それは遅そうだな。」
M「のろくなる呪。」
猫「うん。微妙にくだらないこと言いそうになってるから気を付けて。」
M「で、優勝は『今日の主役』が1着になるにかけていた、大木勇さん。」
猫「誰だよそれ!てか、競馬じゃないんだから。」
M「ほら、サラブレットも出てたし。」
猫「関係ねぇよ!ルールとか無視だし。駅伝って言うか『かける』ことの方がメインになってない?」
M「いや、駅伝は『かける』のがメインだろ?」
猫「いや、走るのがメインだろ?」
M「いや、同じだよ。走る競争の事こうも言うだろ?」
猫「ん?」
M「『かけっこ』って。」
猫「お、うまいね。」
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