客の名前

つ「はい,、どうもこんにちは〜。今日はお越し頂きありがとうございま〜す。」

ぼ「え〜とこの中には、僕らの事を知らない方も多いと思いますんで、今日はとりあえず顔と名前だけでも、覚えて帰りたいと思いま〜す。」

つ「あ〜それは大切だね。ってこっちが覚えんの?そりゃ無理でしょう。」

ぼ「なんで?」

つ「なんでって・・・何人いるんだっつー話ですよ。」

ぼ「え〜っと・・・。いち、じゅう、ひゃく、せん、まん…」

つ「そんな懐かしい数え方で、お客さんの数サバ読まない!」

ぼ「えっと、100人だね。」

つ「お〜、よく数えたな。」

ぼ「いち、じゅう、ひゃく。うん。やっぱ百人。」

つ「その数え方で百人!?って、3人じゃん…。てか、さっき『まん』まで言ってたし。」

ぼ「細かいこと気にすんなって。」

つ「でも、3人なら名前おぼえられそうだね…。」

ぼ「でしょ?」

つ「え〜っと、でその三人はどこだ?」

ぼ「やだなぁ、目の前にいるじゃない。」

つ「いや、1人しか見えないな…。」

ぼ「ほら、俺と、お前と・・・。」

つ「俺らも入るの!?じゃぁやっぱ、お客さん一人じゃん。それ寂しくない?俺ら。」

ぼ「いや、俺はお前がいれば大丈夫だよ。」

つ「気持ち悪いよ!!」

ぼ「さぁさっさと三人分名前覚えて。」

つ「覚えるって、自分の名前まで入ってるし。」

ぼ「え!?お前自分の名前思い出したの!?」

つ「なんで記憶喪失みたいな設定になってんだよ。」

ぼ「じゃ、とりあえず俺の名前覚えて。」

つ「ていうか、相方の顔と名前覚えてないってコンビとして致命的じゃない?」

ぼ「いや〜大丈夫だって。俺は覚えてるから。」

つ「俺だって覚えてるよ!ていうか残されたあそこのお客さんは誰なの?お名前は?

ぼ「ヨシクニさんですよ、彼は。」

つ「なんでお前が知ってんだよ!」

ぼ「実は彼は俺のおじいちゃん・・・。」

つ「マジで!?じゃぁこれ完全に身内漫才!?」

ぼ「・・・のおじいちゃんで。」

つ「何歳だよ!」

ぼ「江戸時代生まれ。なんでも世界最古の人類らしいってことでギネス申請中なんですよ。」

つ「そりゃ100%採用だよ。おめでとう。」

ぼ「すごいでしょ?クニマサさん。」

つ「名前かわってね?」

ぼ「とりあえずこれで名前は覚えられましたね?あとは顔だ。」

つ「いや、どっちが本当の名前なの?ていうか、ここからだと、顔があまり見えないですね〜。」

ぼ「あぁ、写真ありますよ。若き日の。」

つ「意味無いよ!この上なく変わり果てちゃってるよおそらく。」

ぼ「まだ当時は写真技術も未熟だったらしく・・・」

つ「あ〜時代を感じますねぇ。」

ぼ「顔は映ってないんですけどね。」

つ「なおさら意味無いよ!ていうかそれは写真技術の問題じゃないでしょうが。」

ぼ「足首ならなんとか・・・。」

つ「もういいよその写真は!」

ぼ「まぁ何はともあれ、俺らもこっから人気出ていくといいですね。」

つ「そうだね〜。ってか、ヨシクニさんさっきから動いてないような気が・・・大丈夫?」

ぼ「あ〜大丈夫ですよ。彼はときどき、死んだように永眠しますから。」

つ「それは死んでるよ!」