電気屋さん

 「うーん、このテレビがいいかなぁ…。」

店員「いらっしゃいませ。テレビをお探しですか?」

 「えぇ、これがいいんですけど。でもちょっと高いなぁ。」

店員「お値段は少し張りますが、このテレビすごい機能がついてますよ。」

客 「へぇー、どんなの?」

店員「リモコンがついてます。」

 「何年前の機能だよ!そんなの当たり前だろ!」

店員「まってください、このリモコンは離れたところから操作ができるんです。」

 「だから昔からあるって!」

店員「そうですか?ほら、カチャカチャ… ブーン。」

 「ラジコンヘリかい!そんなリモコンいらねぇよ!」

店員「ヘリは別売りです。」

 「なおさらいらない!」

店員「わかりました。ではこのテレビなんかいかがでしょう?」

 「何?ちゃんとしたやつにしてよ。」

店員「こちらはカメラ付きテレビです。」

 「あー、カメラ付きって、テレビ電話として使えるやつ?」

店員「こちらにカメラがついています。」

 「へぇー、これいいね。」

店員「お客さん、ちょっとカメラの前に立ってもらえますか?」

 「あぁ、ためしに見てみるか。この位置でいい?」

店員「そこでいいです。じゃあ撮りますよー。」

 「えっ?撮りますって…。」

店員「カシャッ。はい撮れましたー。」

 「普通のカメラじゃん!テレビを見せろよ!」

店員「お客さん、見てください。」

 「なんだよ!」   (写真を見せる)

店員「ここに自縛霊が写ってますよ。」

 「怖いよ!」

店員「あっ、うちのじいちゃんだ。」

 「知るか!」

店員「ばあちゃんが写ってないなぁ。」

 「写らなくていいから。」

店員「あっ!」

 「今度は何が写ってるんだ!?」

店員「ばあちゃんは生きてた!」

 「最初にわかれよ!もういいよ帰る!」

店員「お客さん待って!帰らないでください。」

 「もういいよ。まともなのないし。帰るよ!」

店員「待って。おじいちゃんを連れて帰らないで…。」

 「憑いてるの!?やめてよ!」

店員「今度こそちゃんとしたテレビをお見せしますから。」

 「もう、ホントにこれが最後だからね!」

店員「こちらです。」

 「ん、これいいじゃない。」

店員「超薄型、省エネ、高画質。今うちで最も売れてるテレビです。」

 「何だよ。最初からこれを見せてくれよ。あるじゃん。いいのが。」

店員「お客さん、特別ですよ。」

 「一番売れてんだろ!!なんで俺だけ見せてくれなかったんだよ!」

店員「すいません。もっこりしてました。」

 「うっかりだろ!」

店員「どうですか?このテレビは。」

客 「…。これでいいけど、これだけひっぱったんだから、ちょっとぐらい 勉強してもらえるんだろうね。」

店員「勉強って…、お、俺を馬鹿にしてんのかー!!」

 「いや、勉強って値段を下げてってことだからね。」

店員「これでも中学出てるんだぞ!」

 「誰でも出てるから!」

店員「20歳の時に。」

 「遅い!」

店員「…わかりました。じゃあ、代わりに何かお付けします。」

 「それでいいからいろいろサービスしてよ。」

店員「DVDなんてどうです?」

 「おっ、サービスいいね。それうれしいよ。」

店員「それからラジコンヘリも付けときますよ。」

 「あんまりいらなけど…、じゃあもらっておくよ。」

店員「あっ、それから…。」

 「まだ何か付けてくれるの?」

店員「おじいちゃんも憑けておきますね。」

 「それはいらない!!」

HOMEへもどれ!!